薬膳とは、中国医学に基づいて、生薬や食材を組み合わせた料理のこと。「体質と季節に合ったものを食べることで、自然治癒力を高め、病気にかかりにくくする」というのが基本的な考え方です。食べ物を薬ととらえ、日々の食事のなかで心身のバランスを整えていきます。
【 季節の食材を食べる 】
季節に合った旬の食材をいただくのが薬膳の教え。
食べ物は熱性、温性、平性、涼性、寒性の5つに分類されます。
●涼性、寒性(カラダを冷やす食べ物)
トマト、なす、きゅうり、スイカなど
●熱性、温性(カラダを温める食べ物)
カボチャ、栗、玉葱、カブ、にんにく、など
●平性(カラダを冷やしたり温めたりしない、おだやかな食べ物)
白米、玄米、大豆、里芋、卵など
【 五味を味わう 】
味は酸、苦、甘、辛、鹹の5つの性質に分類されます。これを「五味」と言い、それぞれ対応する働きがあります。
偏らず、バランス良く味わうことが大切です。
●酸(すっぱい):主に肝臓に働き、目、神経、筋肉の働きを整えます。
<食材>レモン、梅
●苦(にがい):カラダの熱や湿気を取り、のぼせを抑えます。解毒や鎮静効果もあります。
<食材>パセリ、セロリなどの香味野菜
●甘(あまい):神経の緊張を緩めます。疲れや痛みを和らげる効果があります。
<食材>穀類、魚、肉、野菜など幅広く存在します。
●辛(からい):カラダを温め、血と気のめぐりを良くします。発汗作用もあり、風邪にも効果があります。
<食材>しそ、唐辛子、しょうが、ネギなど
●鹹(しょっぱい):便秘、リンパの腫れなど、体内の滞りを和らげる作用があります。
また、髪や骨に良いとされています。
<食材>海産物、味噌、塩など
薬膳というと難しいイメージがありますが、身近な食材が薬になるのです。旬の食材をバランスよく食べ病気をよせつけないという、まさに医食同源ですね。
[ 食生活 健康 ] (2009.11.09 )